オープン10周年、石釜で焼き上げる本格派のピッツァとナポリの家庭料理が楽しめる超人気店。ナポリピッツァ協会から世界第206番目の公認加盟店として称号を与えられ、パスタやチーズ、ワインのメニューもますます充実、”素材から責任の持てるレストラン”を目指し、「養蜜」や「無農薬野菜」にも意欲的に取り組まれているオーナーの下田さんより、日本に1台しかない「エスプレッソマシン」秘話や「シチリア料理とナポリ料理の違い」などについたお話を伺いました。
【当店のエスプレッソについて】
ナポリといえば、まずはピッツァや海の幸、♪オーソレ ミーヨー♪などで有名なカンツォーネ『ナポリを見て死ね』というほど風光明媚な景色が有名ですね。
しかし…忘れてはならぬナポリ人の魂とも言えるのが「エスプレッソ」なんです。他国に出かけナポリに帰ってきてから、まず最初の儀式が”ウン カッフェ ペルファヴォーレ”(エスプレッソを一杯くだされ!)で地元まで待ちきれず、空港で飲むこともしばしば…。ナポリのカフェはとても濃く、かといって苦いということではなく、コーヒーのアロマが凝縮されています。そこに砂糖をたっぷり入れて飲むと、それはそれは至福の時が訪れるのです。
当店はナポリピッツァのお店です。そして私が何度も行ったナポリで感動したカッフェもピッツァ同様できるだけ現地の味をお届けしたいという強い思いから、実際にナポリのバールで使われているマシンを船便で輸入しました。しかし、日本にこのマシンのメーカーを扱っている商社がないため、壊れたらおしまいです。
【シチリア料理とナポリ料理】
当店はナポリを中心として、主にイタリア南部の料理にも力を入れています。
現在新たなシェフを迎え、毎日がますます楽しくなってきました。シェフはイタリア最南端の島の北東部に位置するメッシーナ』(サッカーの小笠原選手が在籍していたFCメッシーナでもおなじみ)で修行しました。メッシーナもナポリも海沿いの街ですので、海の幸の料理が発達しました。
料理の違いはまず素材でしょうか。シチリアはカジキマグロが捕れるところですので、カルパッチョやグリル、煮込みなど多彩なカジキマグロ料理が登場します。
ナポリはホウボウやカサゴなどをアルフォルノ(オーブン焼き)にしたり、アクアパツァ(蒸し煮)などに調理します。
柑橘類でも、ナポリではリモンチェロ(リキュール)に代表されるレモンに対し、シチリアはブラッドオレンジジュースに代表される、色々なオレンジが収穫され、デザートはもちろん、料理にも多用されます。
両者、南イタリアに共通することは、素材が新鮮なので、日本料理同様、シンプルな調理法であることです。蒸したムール貝や新鮮なイカのフリットにレモンをギューット絞るだけで、白ワインの最高のお供ができあがります。
ブラボー!サルーテ!(乾杯)
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